元モーニング娘。の田中れいな率いるガールズバンド「LoVendoЯ」が、7月6日の「アイドル横丁夏まつり!!」に参戦する。モーニング娘。時代も含めて、アイドルフェスへの参戦は初めてとなる彼女に、イベントでの意気込み、そして最近のアイドルブームについて話を聞いた。
- ― LoVendoЯはアイドルフェス初出演ですよね?
- LoVendoЯはアイドルじゃないってずっと言われていたので、最初聞いたときは「なんで出られるんだろう?」って思いました。会社の人からはLoVendoЯはアイドルじゃないって言われているし、見る人からはアイドルバンドだって思われているし、でも自分の中ではどちらでもよいんですよ。
11年間くらいアイドルとしてやってきたので、そのパフォーマンスの癖は抜けないし、それはもうそのままで行こうと思って。ただアイドルっぽい曲とか、一曲もないので、そういうイベントに出て大丈夫なのかなって。お客さんが受け入れてくれるのかなって、LoVendoЯを見て楽しんでもらえるのかなって。そこは気になりますね。
- ― LoVendoЯはどんなバンドですか?
- 私、音楽のジャンルとかわからないんですけど、自分が思っていたバンドらしいバンドとは違うバンドだなって思います。バンドってもっと激しくて怖いイメージだったんですけど、LoVendoЯは「みんな、行くよ〜」みたいな感じで。音楽的にこれっていうジャンルは決まっていなくて、いろいろな曲をやっているので、見てもらって好きな曲を見つけてもらえたらなって思います。
- ― もともとバンドに興味はあったんですか?
- 全然ないです。バンドが何かもわかってなくて、楽器持ってたらバンドだってくらいの認識しかなくて。でも、モーニング娘。を卒業するときに、つんくさんが次の道を用意してくださったので、じゃあやってみようかなって。れいなは、とにかく、歌でやっていきたいと強く思っていたので、バンドというものに対してあまり深く考えていなくて。
- ― バンドになってから、自分のやることは変わりましたか?
- モーニング娘。の頃は、ここでこのフォーメーションで、こんなMCで、次はこのコーナーで行きますみたいなのがキチッと決められていたし、私自身も完璧にきめきめに出来上がったものを見せたいっていう意識が強かったんですよ。でも、バンドはそういうのが自由だから不安で。最初は、ここでこう動いて、MCはこんなこと話してとか、れいなが全部決めていたんですよ。それで疲れちゃって。今は、4本目のツアーを回っているんですけど、ようやく心から楽しんでツアーを回れるようになりました。
- ― どこが変わったんでしょう?
- メンバーやスタッフさんへの信頼度ですね。お客さんは盛り上がってくれているから楽しくないことはないんだけど、何も出来なくてその場で立ち尽くして楽器を弾いていたり、MCでもキャッチボールができなくて、アイ・コンタクトもここでしようねって言わないと見てくれないんですよ。それで、どこか申し訳ないなって思いながらやっていて。
でも最近はメンバーの個性や性格もわかってきて、ここはこの子に振ろうとかわかってきたし、今は決め事もあまりなくて、ステージはめっちゃ自由になりました。MCとかも本当に自由で。何も決まり事がない中でやっていますね。
- ― どちらがやりやすいですか?
- 楽なのは今ですね。覚えることが少なくて済むし、全てが決められていると、いいこともあればやりたくないこともありますから。でも、自分が見ていて楽しいのはモーニング娘。なんですよ。
卒業して思ったんですけど、私の中でモーニング娘。は3つあって、後藤真希さんにあこがれていてずっと入りたいと思っていた憧れのモーニング娘。と、自分が入ってからのモーニング娘。と自分が抜けた後のモーニング娘。と。自分がやっているときは好きも嫌いもないんですけど、辞めてからは、やっぱりモーニング娘。っておもしろいなって改めて思いました。ダンスもすごく大変だし、歌割りも細かく分けられちゃうから見せ場は少ないんだけど、そうやってたくさんのメンバーで踊っているのが、見ていて一番楽しくて。
いまは何も決まっていないので、やる方としては楽なんですけど、これでいいのかなって思うときはあります。ライブをするにあたって、モーニング娘。のときって、ステージに上るときは違う自分になっていたんですよ。でもLoVendoЯはそうではなくて、素の自分のままなんです。
- ― モーニング娘。を卒業して、1年ほど経ちますけれど、最近のアイドルブームを見て、どう思いますか?
- いっぱいいるなって(笑)。でも、モーニング娘。以外は、あまり興味ないんです。
- ― いまは「アイドル」という括りでも、いろいろなアイドルがいますよね。
- いま、アイドルってなんでもありだし、なるだけなら誰でもなれそうですよね。
- ― 自分の中でアイドルへのこだわりってありますか?
- 今はもうないんですけど、自分が後藤さんが好きでモーニング娘。が好きだった頃は、アイドルはモーニング娘。しかいなかったので、地球上でも限られた人だけしかなれない、特別な存在だと思っていたんですよ。だから、自分がアイドルになれたのがすごくうれしくて。
れいなの中でのアイドルは、若くないとダメだと思うんですよ。アイドルのピークは15歳から17歳ですね。大人すぎず、子供すぎず、大人になっていく過程が男の人は好きだと思っているので。れいなは、20歳になってモーニング娘。をやっているときも、年をとったって思われないようにしようって、それはずっと意識していましたね。
- ― 自分がいたころのモーニング娘。と今のモーニング娘。で変わった部分はありますか?
- ダンスが変わりましたね。モーニング娘。にいた頃は、ダンスが好きじゃなくて、なんなら踊りたくないなって思うこともあったんですけど、今はちょっと踊ってもいいかなって思います。ただ歌っているだけだと手持ち無沙汰なので(笑)
- ― その分、歌に集中できるんじゃないですか?
- 自分に歌だけで聴かせるだけの歌唱力があるとは思っていなくて、だから歌とかダンスとか全体を含めて、楽しいライブにしなきゃいけないなと思っているので。
- ― ほかのアイドルとの対バンは、今度の夏まつりが初めてですよね?
- LoVendoЯとしてモーニング娘。のツアーに出たときは、「おかえりなさい」みたいな感じで、ホームの空気だったんですよ。モーニング娘を好きなお客さんに悪い人はいないって思っているので、何の不安もなく楽しい気持ちだけでできたし。今回はさすがにホーム感はないと思うんですけど、お客さんが優しかったら嬉しいです。全然アイドルっぽいパフォーマンスではないけれど、一緒に盛り上がってくれたらいいなって思います。
もし自分が今、アイドルをやっていたら、あそこには負けられないとか、頑張らなきゃって思うのかもしれないけれど、いまはジャンルも違うし「ちょっとお邪魔しますね」みたいな感じなんですよ。
わたしは、バンドっていう形にもこだわりがあるわけじゃないので、対バンのときも、バンドのメンバーは緊張しているんですけど、私は全然緊張していいなくて。良い意味でリラックスしてライブに臨めていますね。
- ― 夏まつりではコラボ企画も予定されているとか。
- それ、今さっき聞いたんですけど、この曲でやりますって聞いて楽しみが増しました。盛り上がってくれたら嬉しいですね。
- ― 最後にイベントへの意気込みはありますか?
- 普段なかなか見てもらえない方に見てもらえる機会なので、楽しかったなって思ってもらいたいし、自分たちも楽しみたいし。良い意味で、いつも通りのパフォーマンスができたらいいなって思います。
アイドル横丁夏まつり!!〜2014〜